【板橋/観光】親子で学んだ「江戸の歩き方」(いたばし観光センター)

いたばし(東京)

いたばし観光センターで出会った、やさしさと歩く旅

去年の夏、小学生の息子が「江戸時代の人は、どうやって毎日そんなに長く歩いていたんだろう?」と自由研究のテーマを考え、板橋宿に興味を持ちました。

息子の目が輝いているのを見て、その好奇心を形にしてあげたくて、私は事前にいたばし観光センターへ電話をかけてみました。

電話口に出てくださったガイドの方はとても丁寧で、「この日のこの時間なら大丈夫ですよ。ぜひお越しください」と、あたたかく迎えてくださいました。


江戸時代の旅人の話を、クイズで楽しく

当日案内してくださったのは、年配の男性ガイドさん。息子の「どうして毎日そんなに歩けたの?」という問いに対して、一つひとつ丁寧に、楽しそうに話してくださいました。

・江戸の旅人は1日30〜40キロ歩いていたこと
・男女で歩く距離に違いがあったこと
・飛脚は走って移動していたこと
・当時も熱中症のような症状があったこと

そんな話を、クイズ形式で子どもにも分かるように説明してくださり、息子はぐいぐいと引き込まれていました。さらに、ご自身の草鞋での沢登りの体験、日本全国を歩いて旅したときのことなども惜しみなく語ってくださいました。

「そのとき、足を痛めてしまってね」と話す姿に、旅への誠実さがにじみ出ていて、息子はこうつぶやきました。

「じゃあ、けがしないで長く歩ける方法を僕が調べてみたい。」

この日の出会いが、より深い好奇心となるきっかけをくれました。


いたばし観光センターの場所と、できること

いたばし観光センターは、都営三田線「板橋区役所前駅」A3出口から徒歩約1分。板橋宿の歴史が残るエリアにあります。

📍住所:〒173-0004 東京都板橋区板橋3丁目14−15
🗺️ Googleマップで開く

ここでは、パンフレットや地図だけでなく、地元を知り尽くしたガイドさんが観光名所やまち歩きの楽しみ方を丁寧に教えてくれます。「江戸時代の旅人ってどんな人?」「渋沢栄一のマンホールはどこ?」 そんな疑問にも、優しく、楽しく応えてくれる場所です。

旅のはじまりに立ち寄りたくなるような、まちの案内所。 でもそれ以上に、人のやさしさに出会える場所です。


渋沢栄一のマンホールカードと、歩く楽しみ

帰り際には、「この先に渋沢栄一のデザインマンホールがあるよ」と教えてくださり、案内していただきました。なんと、そのマンホールが描かれたカードまでプレゼントしてくださったのです。(※現在は配布終了とのことですが、当時のご厚意に感謝しています。)

板橋区では、区内5か所(板橋・常盤台・志村・赤塚・高島平)にデザインマンホールが設置されており、まち歩きの楽しみのひとつになっています。

マンホールには、いたばし観光キャラクター「りんりんちゃん」と地域の名所やイベントが描かれていて、子どもと一緒に「どこにあるかな?」と探しながら歩くのも、板橋らしい楽しみ方かもしれません。


このまちに、助けられてきた記憶

実は数年前、子どもたちがまだ幼かった頃、私は双子用の大きなベビーカーを汗だくで押しながら、この道を通ったことがあります。真夏の炎天下、体力的にも精神的にもギリギリの状態でした。

そのとき、いたばし観光センターの前にいたガイドさんが、私に声をかけてくれたのです。

「お母さん、大変だね。少し涼んでいきなよ。」

冷房の効いた室内のやさしさ。何気ないそのひとことで、どれほど救われたか分かりません。
板橋で子育てをしてきた中で、私はたくさんの方々の優しさに助けられてきました。
いつか何かの形で、その恩返しをしたいと思っています。

いたばし観光センターは、案内所という以上に思いやりに出会うことができる場所でした。


TOLOCでは、まちの景色や出会った人の声を通して、
「このまちでよかった」と思える記憶を記録しています。
板橋を歩いた日の出来事が、旅のきっかけになったら嬉しいです。