Koichiro Ookuraさん | インタビュー/楽曲紹介

ツクルヒト



Koichiro Ookuraさん

2025年4月12日に行われた、能登復興応援イベントに出演したOokuraさん。ライブではギターとコーラスを演奏されて、会場を盛り上げていました。そんなOokuraさんが自ら作詞作曲された音楽を後日聴かせていただき驚いた編集者は、何としても多くの方々に届けなくてはならないと思いました。


音楽と出会ったきっかけ

Q. 音楽を始めたきっかけ、そして子どもの頃や学生時代の出来事で今の自分に繋がっているなと思うことはありますか?

A. 本当に最初の最初、音楽に出会うきっかけはテレビの音楽番組です。当時家のステレオコンポが、ラジオ以外に何故かテレビのチャンネルも選択できるもので、Mステとかの歌をそのコンポからカセットテープに録音して、それを聴きまくっていた記憶があります。その後CDというものの存在を知り、当時アコムがCDレンタルをやっていて、そこでMステのCDランキングとかで知ったCDシングルを借りまくってカセットテープに入れて聴いていました。カセットウォークマンを買ってもらって、家族旅行の車の中とかでずーっとそのカセットを聞いてました。

Q. ギターを始めた理由と学生時代の思い出は?

A. ギター始めたのは、Mステでルナシーを観た次の日、学校の友達と「ルナシーがカッコよかった」という話になりVHSに録画したルナシーのパフォーマンス(演奏というよりアクション)を学校でみんなでマネする、みたいなことしててそのうちバンドをやろう、ということになって3人しかいなかったので特に取り合いになることなく、特に理由もなくギターを選んだ覚えがあります。


作詞作曲で大切にしていること

Q. まるで風景が浮かぶような世界観が印象的ですが、作るときに大切にしていることや、表現のヒントになっているものはありますか?

A. 作る時大切にしてるのは、客観視、です。何も考えず作ると、大概が主観的なものになってしまいます。振り返って聴いた時大抵訳わかんないものになります。よく寝かせてから客観的な視点で手直しすることを心がけてます。表現のヒント、何ですかね?よく見てよく聞く、ですかね。よく立ち止まる、というか。見慣れた光景でも立ち止まってよく味わうというか。言い表しづらいですけどそんな感じです、多分。


音楽の学び方と独学の工夫

Q. 楽器や音楽の知識・基礎は、どのように学ばれてきたのでしょうか?独学ですか?
誰かに教わった経験などありますか?

A. 小学生の時にピアノを習っていたのですが、習わされていた感が強く嫌で嫌で仕方なかったです。今となってはもうちょっとしっかりやっておけばよかったと後悔しています。それ以外は独学で、特にコード進行を耳コピするのが好きで、ビートルズや奥田民生あたりの曲のコード進行を自分なりに解析みたいなことはしてたような気はします。


初めてのオリジナル曲とその記憶

Q. オリジナル曲を初めて作ったときのこと、覚えていますか?
どんな想いで作られたのでしょう?

A. 高校の頃でルナシーのコピーバンドやってて、その中で1曲オリジナル作ったのが最初だったと思います。その曲がたまたまかもですが、意識的にはどこからもパクってない0から生み出したリフ、を使って作れたのはもしかしたらですが今日の曲作りの礎にはなってるかもしれません。


作曲で一番楽しいとき、苦しいとき

Q. メロディ・コード・リズム・言葉の遊びなど、どのパートを作るのが一番楽しいですか?

A. 難しい質問かも。メロディでもコードでもリズムでも歌詞でも、アイデアが出ている時は楽しいです。アイデアがアイデアを呼ぶこともあり、展開や世界観の広がりが止まらない時は楽しいです。ひょんなとこから行き止まりに行き着いて、その先全く進まなくなる時があります。その時は苦痛でしょうがないです。メロディでもコードでも、ここまでの展開は良くて、その先にもうひと盛り上がりさせたいんだけど、そのひと盛り上がりが全然思い付かない、全然楽しくない、というような状況にはよく辿り着いたりします。


自分らしさを感じた歌詞やコード

Q. “ここは自分らしい”と思えるようなフレーズや、印象的な一節があれば教えてください。

A. これも難しい。自分らしい、てのは正直ないです。印象的というか、よくぞ思いついた!っていう自分的ファインプレーなら何個か…。

歌詞だと

『私を空港へ連れてって』の「人類の最初は冗談と真面目はどっちが先だっただろう」

コードだと

『乗れない汽車』の「恋とは遠い未来だ」の部分のEm A

『麦の穂』という曲があって、あれはギターの3弦を半音下げにしてコード進行作っていったのですが、これはナイスアイデアだったと自負してます。


音楽をやっていて良かった瞬間

Q. 音楽をやっていて良かったなと思う瞬間は?

A. 自画自賛になってしまいますが、いい感じの気候・季節の時に自分の曲聴きながらビール片手に散歩している時に、自分の曲がいい感じに響いて、極上の気分になることがあって、その瞬間がそうです。


音楽以外の影響を受けた作品たち

Q. 音楽以外で、影響を受けたもの(本・映画・人など)はありますか?

A. たくさんありますが、「特に」なのは、村上春樹の「風の歌を聴け」を毎年夏前に必ず読みます。漫画の「じゃりン子チエ」も年一回必ず読みます。映画は「BackToTheFuture」のダンスパーティーのある生活、というものに憧れがあります。

part1,part2の高校のダンスパーティーにも、part3の白熱灯が灯るカントリーチックなダンスパーティにも憧れます。zztopのdoublebackで踊りたい!永井博さんのイラストも影響受けました。大瀧詠一の『A LONG VACATION』のジャケ描いた人です。西海岸チックなイラストは曲作りにインスパイアかなり受けてると思います。山下達郎のFor Youのジャケとかベンジーの描いた絵とか好きです。


影響を受けたアーティストとその魅力

Q. 作曲する上で影響を受けたアーティストは誰ですか?
どんなところに惹かれましたか?

A.
ビートルズ:なんというか基本というか、作曲する上でその曲の中に何かしらの素敵なアイデアがないと採用できないと思っているけど、そのアイデアの採用基準みたいのは、ビートルズを聴いて感嘆したアイデアというものを基準の参考にしている気がします。

奥田民生:くだらないアイデアも採用基準高いよ、みたいな。アイデアなしもアイデアだよ、みたいなこととか、気楽な感じや手抜きな感じの表し方、はこの方から。

真島昌利:コンセプトアルバムみたいな1つのアルバムで1つの世界観、みたいな作品が好きで、この方のソロアルバムはどれもそういう感じがするので惹かれます。

ビーチボーイズ:コーラスワークは重視していて、特に影響受けたのはこの方々、ブライアンウイルソンのソロアルバムも含みます。


これまでのバンド活動と音の変遷

Q. これまでにやっていたバンドや音楽活動について教えていただけますか?
ジャンルやスタイルなども気になります。

A. 高校の時ルナシーのコピーバンドやって、20歳前後は、ドナルズというロックバンドでベースやってました。この時のバンドメンバーが高校の同級生なのですが、センスが凄いんです。その後大学とかでバンド組んだけど長続きせず。最後のバンドは「重力2」といって、3ピースでギター弾いてました。

『私を空港へ連れてって』もこのバンドで演った曲です。


いつかやってみたいこと・音楽の夢

Q. コラボしてみたい人や、試してみたいジャンルなどありますか?

A. 元々プレイヤーというよりクリエイター志向なので、コラボというより願望としては物凄いミュージシャンの方々に自分の作った曲を演奏してもらいたいという妄想はよくします。ジャンル、とは違いますが…ゲームのマインクラフトの、あの不定期に静かに始まる穏やかな音楽がとても好きで、ああいう曲作りたいし、ああいうシチュエーションで再生されたいっていう憧れあります。


曲展開の工夫と“パズル”のような作曲法

Q. Ookuraさんの曲には“次に何がくるのかワクワクする感じ”があります。
あの展開のセンスは、どこから来ているのでしょう?

A. これはセンスではなくたまたまなのかもしれないです。思い当たるのは、自分は思いついたフレーズをよくボイスメモに録音して、ストックしているのですが、曲の展開に困ったときは、このボイスメモストックから何か良さげなフレーズを引っ張り出してきて、くっつけたりします。パズルみたいな。


インスピレーションが生まれる瞬間

Q. 作曲のインスピレーションは、日常のどんな瞬間から生まれることが多いですか?

A. ボイスメモストック聞いてる時ですかね?普段何も引っかからないフレーズが聴くシチュエーションによって、良く聴こえる時とかあってそこからアイデア膨らんでいくことが多い気がします。


🎤インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!


<編集者の思い>

『私を空港へ連れてって』という作品を初めて聴いた時、早く皆さんにお伝えしなければ!という使命感をおぼえました。誠に勝手ながら。笑
全ての曲がしっかりとした音楽の基礎に支えられ、まるで言葉と音楽で自由に遊ぶように作品としての形を作り上げています。全パートの役割が明確で、そのどれもが調和しており聴くたびに新たな発見、面白さがあります。様々な音楽を大切に、丁寧に聴いてこられたのだろうと想像しました。歌声も心地よく、散歩の途中や夕暮れ時、日々の風景の中のどんな場面にも流れていてほしいような音楽です。アートでもダンスでもあり、心と体全体で楽しめる作品だと感じました。
ライブでバンドとしても聴いてみたいです。Koichiro Ookuraさんの今後のご活躍をお楽しみに🎶


<🎸全楽曲はこちらから
https://note.com/koichiro_ookura/n/nb34d94c06442